にがくてあまい

兄が監督を務めた映画「にがくてあまい」の完成披露試写会に両親と行ってきた。

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映画の前に母親が長年行きたかったという新宿の洋食屋に行った。あまりおいしくなくて母が帰りに毒づいていたのが面白かった。悲しいけどそうゆう夢の叶い方ってあるよねと思った。

会場にはたくさんのお客さんが列を作って待っていてすごかった。指定席じゃなかったのかな。芸能人の影響力を感じた。

開場してお客さんがみんな入ってから関係者ということを伝えて中に入った。「翔吾が嫌がりますから…」という母の声を無視して、スタッフの方が半ば無理矢理僕たちを楽屋に案内してくれた。案の定、なにしてんのみたいな感じで兄は両親を返していたけど、僕だけ呼ばれた。楽屋を覗くとそこにはRIP SLYMEのSUさんがいた。他の出演者の方もいたけど、残念ながら俺にはSUさんしかわからなかった。でもみんなあたたかく迎えてくれて「似てるね」と言われた。今自分がこんなにも音楽とともに生きているのはRIP SLYMEがいたからです。という気持ちを押し殺し、図々しいのも兄の迷惑になるかもしれないとうことで「兄がお世話になっています」とだけ言って退散した。

芸能界の人たちと同じ楽屋で過ごしている兄貴すごいな。遠い存在だな、なんて考えていたら舞台挨拶が始まった。ほう、舞台挨拶ってこんな感じなんだね、と思った。SUさんが誰よりも飄々としていて良かった。

その後はにがくてあまい本編が上映されたのでそれを観た。笑いあり涙ありでまた笑いがある、あたたかくておもしろい映画だった。原作のことはよく知らないけれど、登場人物がみんな生き生きとしていて観ていて楽しかった。

兄の商業映画デビュー作ということで、このブログを読んでくれている方もお時間があればぜひ観に行って頂きたいなと思います。9月10日から上映です。全国のイオンシネマでご覧になれます。公開初日から3日間の観客動員数で上映期間が決まるそうなので、その3日間に観て頂けるとなお光栄です。

 

たくさんの人に支えられてステージに立つ兄と、うだつが上がらない自分の対比に頭をくらくらさせながら家に帰ってきた。

昔、兄に映画を撮ることの何が魅力なのかと聞いたことがあった。兄は「一人ではできないところ。たくさんの人と一緒に作り上げること」だと答えた。

一人で音楽を聴くことが何よりも楽しいと思ってしまう自分の暗さ、弱さを痛切に感じながら、僕は今もまた一人で音楽を聴いているのであった。

 

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